1900年代初頭のエドワーディアン時代におそらくヴェネチアでつくられたとされる、ブラックムーア(黒い女性という意味)のピアスです。地金はシルバー、エナメルで表面加工がされています。赤い装飾は珊瑚です。
ムーア人とは北西アフリカのイスラム教教徒の呼称で、民族的には主にベルベル人を指して用いられます。彼らは古代ローマ帝国の時代に現在のモロッコからアルジェリアにかけて、モーリタニアと呼ばれた地域に住んでいました。12世紀頃になるとメッカの巡礼地の出発点となり、ムーア人はこの地域の黒人の支配者として発展し続けてきました。ブラックムーアのジュエリーは、その当時のヨーロッパ人が異国文化への憧れから作られたものと言われています。
線だけで表現されたムーア人女性の表情がなんとも可愛らしく、サイズも小さいので非常に愛着がわきます。ドット柄の白いターバンや珊瑚の用い方にセンスが感じられる、個性的なアンティークジュエリー です。
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