非常に綺麗な状態のカットスティールのピアスです。カットスティールは様々なスタイルが生み出されたヴィクトリア時代の代表的なジュエリーの1つで、多面的にカットされた鋲状の鉄を穴の開いたプレート上に隙間なく敷き詰めて留める技法で作られたジュエリーを指します。
独特の鈍く味わいのある輝きが特徴です。18世紀末頃から、ダイヤモンドの代用品としてジュエリーやアクセサリーなど多くの宝飾品に多く用いられてきました。ナポレオンも第2の妻であるマリー・ルイーズ后妃との結婚の際にカットスティールのセットジュエリーを贈っています。それがきっかけでフランスでの人気が絶頂に至ったのですが、戦争で財力が尽きたために宝石があしらわれたジュエリーをプレゼントする経済余裕がなかった、という裏話が伝えられています。
鉄は、素材自体は高価な素材ではありませんが、カットスティールのジュエリーは当時の時代背景や歴史を現代に伝えてくれる、価値のあるアンティークジュエリー と言えます。
このピアスにあしらわれたカットスティールは細かく1つ1つ状態がよくリベット留めされています。土台の金属プレートも非常に綺麗な状態です。イヤーフックの直径が1.2mmほどと少し太めですが、無理なく使用していただけます。
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