稀少なジョージアン時代のダイヤモンドピアスです。中心部以外にも上部に小さいダイヤがセットされています。地金は石座がシルバー、イヤーフックが10金です。
当時ダイヤモンドは職人たちの間では異様に硬い石という認識しかなく、その輝きを最大限に引き出すセッティング技法を知りませんでした。それゆえダイヤの裏側も側面も完全に塞いでセットするというクローズセットという技法がこの時代のジュエリーの特徴であり、あらゆるアンティークジュエリーの中でも特に時代性を映しているジュエリーと言えます。シルバーとダイヤという組み合わせもこの時代ならではのもので、薄いフォイルのようなシルバーでダイヤを覆い、メキメキした爪をつくって留めています。
光が入らないのでダイヤがきらきらと輝く訳ではありませんが、現代のジュエリーには見られないような無骨なダイヤが作り出す渋みのある輝きも味わいがあり良いものです。石座の周りの曲線の意匠が非常に愛らしく、無骨さに程よい甘さを加えたデザインになっています。
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